新選組は、江戸時代の終わり、幕末と言われた時代に京の都を舞台に活躍した浪士の集団です。
新選組が京の町に屯所を持っていたのは、1863年3月から1867年末までの5年足らずです。
新選組局長近藤勇が処刑され、一番隊長沖田総司が病死し、副長土方歳三が戦死する時までを入れても歴史に登場していたのはほんの6年ほどです。
その新選組がなぜこれほどまでの人気があるのか。
なぜこんなに新選組に惚れこんでしまう人がいるのでしょうか。
今回は、新選組の基本的な知識とその人気の秘密について探ってみました。
新選組がここまで人気者になった理由は?
新選組と言えば、局長の近藤勇とイケメンだけどちょっと怖い副長の土方歳三、子供好きで無邪気なのに剣の達人、沖田総司の3人がまず浮かぶと思います。
平成の前、昭和の前半頃までは、映画やドラマの中の新選組は恐ろしい人斬り集団で、嫌われ者・悪者という立ち位置でした。
イケメンなど存在する余地はほとんどありません。
今のように多くの新選組ファンが生まれるなんて考えられなかったでしょう。
何を隠そう、私も相当コアな新選組好きです!
なぜここまで新選組の世間での見方が変わったのでしょうか。
その理由を探る前に、まずは史実の新選組とはどんな集団だったのか、
さくっと紹介しますね。
新選組とは何をした人たちなの?
浦賀にペリーが来航して以来、日本の国は開国と攘夷(じょうい)の思想が入り乱れていました。
みんなが国のことを考え、様々な思想を持つことは悪いことではありません。
でも同じ武士や浪人同士でもその考えの違いから、斬り合いになることもありました。
幕府の中でも意見が分かれると、それまでずっと蚊帳の外だった朝廷に注目が集まるようになってきます。
幕府では決めかねることを、天皇にお伺いを立てるという理由で、結論を先延ばしにするという姑息な手段を取るようになってきたのです。
すると、だんだん京の町にも志士が集まるようになり、意見の違う者同士が争い、血なまぐさい事件が度々起こるようになります。
そんな時、14代将軍徳川家茂(いえもち)が京・大坂へ上ることになります。
幕府は、将軍が京へ入る前に、危険な浪士たちを排除するために江戸で浪士組を募集・結成しました。
近藤勇が営んでいた剣術道場『試衛館』でも、その募集に応じることになり、『試衛館』の居候たちが揃って浪士組に参加しました。
その顔触れがこちら。
山南敬助・永倉新八・藤堂平助・原田佐之助
近藤たちを含み総勢230名あまりが京へ入ったのは、1863年2月23日のことでした。
浪士組は、京の西、壬生村に滞在します。
ですが、浪士組を率いていた清河八郎の謀略が発覚すると幕府はすぐに江戸へ戻るように指示します。
その指示に従わず京に残ったのが、
近藤たちは、そのまま壬生に残り、芹沢たちと話し合い、「壬生浪士組」を結成します。
そののち、京都守護職松平容保が藩主である会津藩のお預かりの新選組となります。
新選組は、主に京の町の警備にあたっていました。
京の平安を乱す、不逞浪士たちを取り締まる役目です。
厳しい掟のもと、新選組隊士たちは、与えられた仕事をこなし続けます。
そんな中で「8・18の政変」「池田屋事件」「蛤御門の変」などにおいて活躍します。
ですが、新選組の庇護者である会津藩が仕える江戸幕府が次第に衰えていきます。
時代の流れには逆らえず、新選組は滅亡する江戸幕府と運命を共にすることになります。
新選組が人を惹きつける秘密はこれ
最後まであらがった人たちの中には新選組の人たちも多くいました。
土方歳三に従って函館まで戦い続けた隊士たち、上野の彰義隊に参加した原田左之助、靖共隊を結成して戦い続けた永倉新八たちです。
滅びてゆくと知りながら最後まで戦う、その心意気・武士の魂が人を惹きつけるのではないでしょうか。
判官びいきという言葉があるように、特に日本人は弱きものに味方する人や誰かを守るために最後まで戦う人に魅力を感じるようです。
新選組も判官びいき気質の表れのように思います。
でもそれだけが理由なら、昭和のはじめやもっと前から新選組人気があってもおかしくありません。
今の人気には他にも理由がありそうですよ。
新選組が注目されたきっかけはなに?
昭和3年(1928年)に「新選組始末記」(子母澤寛)が出版されると、それまであまり注目されなかった新選組について興味を持ち始める人が出てきました。
「新選組始末記」は、それ以降の新選組に関する作品に大きな影響を与えています。
この本は、子母澤寛氏の聞き書きとそれを基にしたフィクションであり、あくまで小説なのですが、あまりにもリアルな表現で、かかれていることは全てが真実のように思った人も少なくありません。
私が初めて読んだ新選組関連の本も「新選組始末記」でした。
中学2年生の時だったので、少し難しかったのですが、新選組のことが知りたい一心で一生懸命呼んだことを覚えています。
戦後の昭和37年(1962年)司馬遼太郎氏の「新選組血風録」と「燃えよ剣」が立て続けに出版されると、新選組ブームが起こります。
私は「新選組始末記」を何とか読破した後、読んだのが「燃えよ剣」でしたが、この本で私は完全に土方歳三のとりこになってしまいました。・・・ちょっとイタイですね”(-“”-)”
私のような人もおそらく多かったのでしょう。この小説のあと新選組は、注目を浴びることが増えていきました。
栗塚旭さん主演で「新選組血風録」と「燃えよ剣」がドラマ化されると、新選組は決定的な人気を獲得していきます。
この後も新選組を題材にした小説やドラマ・映画・漫画などが次々に出てきます。
そして、2004年の大河ドラマ「新撰組‼」が放映されると、10代の人にも人気が出てきたようです。
大河ドラマで土方役の山本耕史さんの軍服姿での写真には、本当にびっくりしました。
現存している土方歳三の写真にそっくりだったんです。
新選組に出会って以来ずっと魅入られて、すでに30年近くたっていた私も、大河ドラマにはまりました。
正直青春ドラマっぽくてちょっと軽いなと思っていたのですが、
でも幕末のあの時代、新選組隊士にとっては、まさに青春(相当血なまぐさい青春ですが)だったのかもしれません。
2020年の土方歳三も今から楽しみです。
おそらくまた新選組の人気がすごいことになるのかも・・・。
2020年公開予定だった岡田准一さん主演の『燃えよ剣』でしたが、コロナ禍により延期、2021年10月の公開となりました。
新選組のお話、まだまだつきませんが、また次回に。
私は、新選組や大河ドラマ、時代劇はほとんどCS放送で見ています。昔の時代劇って迫力があっていいんですよね。
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